【研修医向け】ワンルームマンション投資には絶対手を出してはいけません

不動産投資

インデックス医です。

本日はワンルームマンション投資の話です。医師であればだれしも経験があるであろう、業者からの不動産投資の勧誘ですね。平日の夕方や休日にスマートフォンに電話がかかってくるのはもちろん、業務中のPHSにも節税のための不動産投資をしませんか?というような勧誘の連絡が来ることがあります。
このワンルームマンション投資がいったいどういうものなのか、本当に節税になるのかなどを今日は解説していきます。

結論

まず初めに結論から言いますと、業者から紹介されるようなワンルームマンション投資はほぼ詐欺です。

ほぼ、と言うのは立地やタイミングによっては絶対に物件の価値が上がらないとも言い切れないからです。ただし、そういう物件であれば不動産投資を全く知らない医師に紹介するよりも、すでに不動産のオーナーになっているような人たちに紹介する方が話が早いに決まっています。ですから、99.9%以上の確率でそういう物件が、自分に紹介してもらえるとは考えない方が良いです。

これから紹介するような不動産業者の語る新築ワンルームマンション投資の謳い文句を知っておくだけでも、詐欺に引っかかりにくくなりますので、細かいことは覚えなくてもいいでもなんとなく知っておくと良いです。

不動産業者が語るメリット

不動産業者は以下のようなメリットがあると提示してきます。

・節税になる
・少額から始められる
・サブリース(家賃保証)がついていて、空室リスクが少ない
・最終的には老後資金になる
・たくさんの医師がすでに契約している

節税になるのか

 節税にはなりません。確かに、一時的に減価償却で税金を減らすことは出来ます。(減価償却についてはまたどこかで詳しく書きたいと思います。)しかし、基本的には、税金の繰り越しになるか、最終的な収支がマイナスになるということなのです。実質メリットはありません。
 また、節税とはいっても、その節税を得るための不動産にかかる購入代金や手数料などを加味すると、手元に残るお金も減ってしまいます。つまり、短期的にも長期的にもメリットはないのです。

少額から始められるのか

 確かに、医師で新築ワンルームマンション投資をするのであれば少額から始めることが出来ます。これは、銀行でローンを組んで、そのお金で不動産を購入できるからです。実際、最初にかかる費用は不動産の価格の1−2割で済むと思います。

 では、なぜローンを組めるかというと、それは医師だからです。
医師だからというより、高給取りのサラリーマンであるからと言ったほうがいいでしょう。会社員(勤務医)という立場で安定した給与があり、給与も平均より高い。
銀行としては、こういう人に融資をすることで、貸したお金が帰ってこない可能性が低くなりますので、貸したがります。

 銀行が貸してくれるということは、その不動産の価値が銀行にも認められたということではないのか、という疑問を持つ方もいるかも知れません。
 これに対する答えは、NOです。
 基本的に不動産投資であっても、銀行がお金を貸すのはその事業が利益を出せると判断した時、というのは間違いではありません。
 新築ワンルームマンション投資で利益を出すことが難しいのは、銀行ももちろんわかっており、事業性としては期待していないでしょう。では、なぜ融資が下りるのかというと、何度も言いますが、我々が医師だからです。
 事業性より、私達の勤務医としての属性をみて決めているのです。
 銀行としては、貸したお金が返ってくれば、不動産業での利益でも、勤務医としての給与でも変わりません。

 高給取りのサラリーマンに新築ワンルームマンション投資の勧誘が多いのは、こういう理由があります。

サブリースとは

 サブリースというのは、簡単に言うと家賃保証のことです。不動産は、そこに入居し、家賃を払ってくれる人がいなければ収益は0になります。
 そこを心配するサラリーマンは多いので、不動産業者は、「空室時には私達がその分の家賃をお支払いします!」と言って、安心させようとしてきます。

 しかし、基本的にサブリースは当てにしてはいけません。
 賃料は保証しますとはじめに言っていても、経営状態の悪化を理由に賃料減額を求められ、訴訟になったケースもあります。
 契約書に小さく、2年毎に賃料の見直しが書かれていたり、不利なサブリース契約をしてしまっていても、解約条件がかなり厳しかったりと、そこには様々な問題があります。

 サブリースで安心させようとしてくる業者のことは信頼しないようにしましょう。

売れば老後資金?

 仮に新築ワンルームマンションを購入し、±0円でローンを完済したとしましょう。(相当難しいと思いますが)
 そうなると、後はそのマンションを自宅として住む、売却して現金を増やすなど、出口戦略を考える必要があります。
 しかし、よく考えてみてください。築30年、40年も経過したワンルームマンションにあなたなら住みたいと思いますか?そこにどれほどの価値があるでしょうか?賃貸物件として貸し続けるにも、入居者を募集するための広告費などがかかってきます。

 仮に物件が売れたとしても、買値の数分の一でしょう。時間経過とともに不動産物件の価値は下落していくのは想像に難くないと思いますし、実は新築ワンルームマンションという点が大きな問題です。
 新築の物件というのは、マンションでも一軒家でもプレミア価格になっているのです。新築物件を売るための広告費や人件費など様々な価格がそこに付加されています。
 そのため、例えば3000万円の新築物件を購入し、翌日に売ろうとすると2500万円、ひどいと2000万円というような価格提示をされる可能性があるのです。

 これが、新築ワンルームマンションが不動産投資として成立しづらくする大きな要因です。

 ちなみに、マイホームを購入する場合でも新築であればもちろんこのようにプレミア価格になっています。
 このような理由もあって、「マイホームは資産ではなく負債」というような見方をする人も多いです。
 個人的には生活を豊かにするための浪費と割り切って新築マイホームを購入するのは悪いことではないと思っています。

周りの医師が契約している

 医師になるような人は、幼い時から優等生、受験のエリートとして大きな挫折なく大学まで進み、大学では周りと同じように言われた勉強をしておけばどうにかなった、というような人は割と多いように思います。私自身も特に疑問を持たずにそういう道を進んできた一人です。

 それを理解している不動産業者は、新築ワンルームマンション投資を進める際に、友人の〇〇先生も最近購入しましたよ、と言われるとそれが正しいように感じやすくなりますし、友人が不動産投資で利益を出していると言われれば、負けずにやってみたいと競争心が湧いてくる人も多いでしょう。

 友人同僚がやっている、上司がやっているからという理由で不動産を購入するのは絶対にやめましょう。

あくまでも不動産投資です

  以上、不動産業者の謳い文句を紹介してきましたが、新築ワンルームマンション投資というのは、あくまでも不動産投資なのです。

 投資というからには、それで利益が出せることが大前提です。

 業者が年利◯%です、といって出してくる利益率は表面利回りと言います。固定資産税や空室リスク、家賃下落率など、様々なリスクが加味されていないものになります。
 実際にどの程度の利回り(実利回り)が出るのかを自身で計算できないうちに不動産投資で成功できる確率は限りなく0に等しいでしょう。

 他の投資、事業と同じで不動産投資も自身で勉強する必要があります。

まとめ

・新築ワンルームマンション投資はやってはいけない
・節税にはならない
・少額から始められのは医師(高給取りのサラリーマン)だからで、不動産投資だからではない
・サブリースは信用してはいけない
・老後資金にもならない
・周りがやっていても自分で判断できないならやってはだめ
・あくまでも不動産投資

 新築ワンルームマンション投資に限らず、自分が理解できていないものに投資をしてはいけません。自分が自ら獲得した情報でないものは簡単には信用しないようにしましょう。
 正しい知識を地道に学んでいきましょう。

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